敷地はロットの大きな新興住宅地のような区画造成された別荘地内にある。仕事や日常から離れ週末住居として自然を感じながら過ごせるような別荘として、最もリラックスできてプライバシーの心配のない位置に広々とした浴室を配置すること、外構を含め周囲の区画造成された雰囲気を極力感じさせないこと、生活感を感じさせない設えにすることなどが望まれた。まず、北から吹き下ろす強風や周囲の雰囲気から守るように前面道路に対しては閉じ、庭に対しては開くという意味でL字形の配置とし、外壁仕上も鋼板と板張りを内外で使い分けた。２階に浴室及びバルコニーを設けることでプライバシーを確保しつつ開放感を得られるようにし、その浴室に向かって、玄関ポーチ→リビング→ダイニング吹き抜け→吹き抜け廻りの寝室を巡っていくような動線とした。また、屋内外の一体感を生み出す仕掛けとしてリビング・ダイニング間に敷地勾配なりの段差を設け、段差をベンチとして設えた。結果として、大きな食卓のある吹き抜けが家の中心となり立体的に一体感のある空間となった。